19331113致增田涉

331113致增田涉

    拝啓　十月廿四の手紙を落掌して『隋書』を持ちませんから「焚草之變」の事はっきり云へないで本を借りて来て調べましたが今日始めて返事を出しました、或は此の手紙と一所に到着するだろ—と思ひます。

    弄璋の喜に対して大に慶賀します。木実君より三嵗小さいでしゃう、して見れば大した人材生産専門家でもない様です。僕は海嬰奴の五月蠅い現状にこりこり、罷工中です、そ—してもう出品しないつもり。

    其の上、此頃私の一切作品古いものと新しいものを問はず皆な秘密に禁止されて郵便局で没収されて居ます。僕一家族を餓死させる計画らしい。人口が繁殖すればもう一層危険だ。

    併し私共は皆な達者です、うへて来れば别に何か工夫するでしょう、兎角、今には未だ米無の心配ありません。

    幽蘭女士から汝に魯漫先生の雅号を上げたいと云ひましロマンに。　草々

洛文　上　十一月十三夜

增田兄几下

    御家族一同よろしく

    宇文化及謀乱の計成就の時、城外に兵をき、城内にも兵卒数万人集め火を挙げて城外の人々知らせた（入城させる為め）、煬帝其声を聞いて何の事だと問く。司馬虔通（宇文化及の党羽）偽て曰く「草坊（牧草を儲蓄する庫）失火、外人（宮外の人＝官、兵、民）救火、故喧嚣耳。」帝之を信じて準備なし、遂に殺された。（『隋書』中の『宇文化及傳』に見え。）官奴を解放して内外（＝上下）の番（＝）に分配し。（つまり奴隷を門衛とした事。）

    御車女となるべきものだと思つて貢した袁寶兒。実は臣下の謙遜の言で、あそばれるはづで云はしたもの。

译文

    拜启：十月廿四日信已收到，因手头没有《隋书》，“焚草之变”不能确说。借书查明后，今天才将答复寄出，谅可与此信同时到达。

    热烈庆贺弄璋之喜。比木实君小了三岁，看来你还不像个生产人材的专家。我对海婴这小家伙讨厌的吵闹领教够了，已在罢工中，不想再有出品了。

    再者，最近我的一切作品，不问新旧全被秘密禁止，在邮局里没收了。好像打算把我全家饿死。如人口再繁殖，就更危险了。

    但我们都好，到饥饿来时，再另想办法，总之，目前还不致有无米之忧。

    幽兰女士说想给你送一个雅号：鲁漫先生草草

洛文上十一月十三夜

增田兄几下

    尊府均吉。

    宇文化及谋叛之计既行，置兵城外，城内聚兵数万，举火为号通知城外（令其入城），炀帝闻声，问是何事。司马虔通（宇文化及的党羽）伪称：“草坊（储存牧草的仓库）失火，外人（宫外的人=官、兵、民）救火，故喧嚣耳。”帝信之，无防备，遂被杀。（见《隋书。宇文化及传》）

    解放官奴而分配番守（=值班）内外（=上下）。（即分配奴隶担当门卫）

    以为作为御车女而进贡袁宝儿，实为臣下谦逊的话，乃明知是供玩乐，而作如此说法。